ソウルのゴミ焼却場                   島津康男

 ソウル特別市の面積は30km×20km、人口は1100万であり、韓国の総人口の24%という集中状況である。一人あたりの一日排出量は日本と同じ位の1.1kgだが、このソウルに一般廃棄物の焼却場は今年稼動を開始するものを含めて4ケ所、総処理能力は2850トン/日で、単純計算で焼却処理の割合は4%しかない。しかも、焼却場第一号は1996年に稼動したばかりである。以後、5つの焼却場が計画されたが、そのうち2つは住民の反対で実現しておらず、現在4ケ所である。
  一方、仁川国際空港から漢江に沿って高速道路を走り、ソウル市に入ったところに、道の左側に沿って間口2km、高さ100mの緑におおわれた平らな台地がある。 頂上には風力発電塔がたっており、麓には2002年に開かれたらサッカーのワールドカップ競技場が見える。この台地は1996年までの15年間に一般廃棄物を積み上げた「ゴミの山」で、その総量は9200万立方メートルに達していた。ここはソウル市の西の端であるが、周囲に住宅団地が出来、悪臭のクレームが大きくなったので、麓にサッカー場を作るにあたって、覆土して「空の公園」と名づけたものである。沈下が落ち着くまで差し当たり30年の間公園やゴルフ場に使い、抜いたガスをパイプで集めて麓に送り、サッカー場のエネルギー源の一部にしている。
  上に述べた焼却場第一号が1996年で、このゴミの山の終わりに関係していることは間違いない。そして、焼却場が4ケ所になってもソウル市のゴミの大半が処理できないことは明らかある。そこで、今ではほとんどを隣の仁川市の海岸に持っていって埋め立ている。ここは干満差が9mもあるところなので、容量の点からは埋め立てに便利ともいえる。ちなみに、仁川空港も人工島である。.
  さて、ここでは今年稼動を開始した4つ目の麻浦焼却場(上に述べたゴミの山の横にある)の環境アセスメントについて述べる。処理力は300トン/日×3基で、プラズマ溶融炉が付いている。100トン/日以上なので国のアセスの対象になる。立地段階にはSEA(戦略的環境アセスメント)があるが、情報公開や住民参加はなく、EIA(環境影響評価)で説明会がある。住民意見としては、日本と同じようにNIMBY(総論賛成、各論反対)的で、ダイオキシンへの心配が強く、また搬入交通の経路への反対があり、地下に建設せよとの極端な意見もある。プラズマ溶融の能率が悪く、もっといい方式を求めている。



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