清渓川復元事業の完成                 島津康男

  ソウルの旧都心にある長さ5.8kmの清渓川高架道路を撤去してもとの川に復元する事業は市長の選挙公約で、2003年7月1日に起工式を行った。撤去と復元を含めた総工費は日本円で3550億、物価の違いを考えて円に換算しても1000億円程度というのは、かなり安い。しかも、道路の撤去に7割、川への復元に3割という工費比率である。22の橋はデザインコンクールで、x字形のもの、床が透明なもの、古い石橋を復元したもの、橋の両端が家になったものなど、見るだけで楽しい。市長は元の現代社長で、高架道路を作ったのは「現代」なので、「現代」は作って儲け、壊して又儲けるとの声ガある。
  私はこの工事をずっとウォッチしてきたが、2005年10月1日の午後6時に完成式を迎え、これに参加してきた。大統領の式辞よりも市長の挨拶の方がずっと迫力があり、翌日の新聞ではこれで市長の次期大統領は間違いなしとあった。30日の前夜祭は大雨のため1日に持ち越しとなったが、2002年のサッカーワールドカップの時に20万人が集まった市役所前の広場で行われたオーケストラ演奏はこれに負けない人出でだった。
  地上道路とはフェンスで遮られ、しかもほぼ垂直の5mの壁にある階段を降りて行かねばならず、そこにビオトープ的な水深30cmの川と散策路があるが、このコラムで前に述べたように、「隔離された親水空間」の感を免れない。階段は両岸で13ケ所しかないので、降りるのが大変、降りたら上がるのが又大変である。1,2日で120万人が両岸にあるそれぞれ幅2mの散策路を歩き、余りの混雑に死人が出る有様だった、

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