普天間飛行場代替施設建設事業の2回目の方法書に異常事態
       
― 必要条件を満たした方法書なのか ―
                            2007 08. 10 島津康男
  
県が受け取りを拒否
 表記の方法書が、8月7日に事業者の沖縄防衛施設局から沖縄県知事に送付された。平成16年4月に、1回目の方法書が提出されているが、立地選定についての協議が確定しないため、うやむやの形で手続きが止まっていたところ、辺野古沖から海岸への立地変更を前提とした新しい方法書が送付されたものである。方法書のやり直し自身が異常な事態であるが、さらに、知事は「立地についての協議が終了していない」との理由から、受け取りを拒否するとの想定外の事態になっている。

手続きからみた拒否
 環境影響評価法の第6条には、「事業者は、方法書を作成したときは、・・・地域を管轄する知事及び市町村に対し、方法書を送付しなければならない」とあり、その一方、知事に対しては「受け取らねばならない」とは書いていない。第7条では、事業者の公告・縦覧、第8条では意見を有する者の事業者への意見書の提出を定めているが、これは「意見を述べるものとする」とあって、「ねばならない」ではない。さらに第十条では、事業者が受け取った意見をまとめた書類の送付を受けたときに、知事は「方法書について環境の保全の見地から意見を書面により述べるものとする」となっており、「述べなければならない」との強制条文ではない。
要するに、知事が受け取りを拒否しても、条文上は手続きが進行する。県が受け取りを拒否しても、地元の市町村が縦覧させることは理屈の上では可能だが、それも行われていないようである。以上の状況から、県は「方法書は存在しない」との態度をとっているので、実物を見て評価することはできない。

1回目の方法書は無意味だった
 1回目の方法書では、計画が不確定で、飛行機の種類・飛行ルート・頻度の記載がなく、このため騒音一つとっても予測・評価が不可能なこと、施設配置も記載がないという状況なのに、どういうわけか30km離れた勝連町の泡瀬干潟の環境について延々と記載されているなど、方法書としては無意味であることを、当時、本アセス情報で指摘したが、今回はまともな方法書かを判断することができないのは残念である。
 計画だけでなく立地に不確定なところがあれば、複数案を提示すればいいし、3年前に比べて環境アセスメントでそのような配慮をすることは普通になっている。自衛隊まで動員して事前調査をしているなどの前歴もあり、このことが事態を混迷化していると考えるが、研究者としては方法書の内容を知りたいところであるものの、今のところそれができないのは残念である。
 
地元はどう対応すべきか
 それにしても、受取拒否は環境影響評価法施行以来始めての想定外事態で、新知事の知恵だろうか。1回目の方法書では、地元の市民団体が「市民からの方法書」を沖縄防衛施設局の方法書以前に先制公表するという快挙をしているが、今回はその気配はない。地元で、方法書の内容を見た方があれば、是非ご連絡いただきたい。
1回目のような無意味な方法書ではないかどうかを判断することが先ず必要で、その結果として門前払いにする方がむしろ建設的ではないか。


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