アセス情報2011.12.23
  
               普天間飛行場移設のアセス評価書が出る
              ー注目しなければならない6つの課題ー

                           島津康男

  表記事業のアセス準備書がでたのは2年半前の2001年4月だった。
この
アセス手続きの最終段階としての評価書がいよいよ公表されようとしている
準備書公表時点の「アセス情報」で、「方法書前の違法調査、情報の小出し・後出し、荒っぽいジュゴン調査
厚すぎ、と40年のアセス史で最悪の事例」と批評したこのアセスの最終段階が来るのである。
2年半の間におこった県外・国外移転問題は政局の迷走をそのまま表わしたものであり、
東シナ海での緊張関係の変化は、米国のグアム移転問題と絡んで、
これまた2年半の間の情勢の変化を表している。
その中での評価書公表は国内・国際問題の激動の象徴としてとらえられ、
アセスの枠にとどまらない出来事になっているといってよい。
さらに、アセスの手続きそのものがこの春に改正され、施行は2年後になるものの、改正法との絡みでとらえられるのも当然といえよう。
 
12月26日に公表される、いや年を越すらしい、と様々な報道が沖縄県の地元新聞で飛び交っており、
5400ページの準備書に対して評価書は7000ページになる、いや9000ページだといった憶測も飛び交っている。さすがに、本土の新聞ではそこまで熱していないが、12月19日に出た
防衛大臣の「在日米軍・海兵隊の意義および役割について(回答)」、MV−22 オスプレイ配備について(回答)」は本土でも報道されており、実はこれは評価書への布石となっている。
これらは、今年6月に
知事(二つ目の文書には地元の宜野湾市も加わっている)が防衛大臣に出した結構具体的かつ微妙な問題を含む質問書への回答であり、本アセスに関心のある方は、これら二つの回答(沖縄防衛局のホームページに全文掲載)を読み、その内容が評価書にどう反映されているかを確認してほしい。
 上記の問題に加えて
私自身が評価書に期待するのは次の6点である。これは、準備書段階で「アセス情報」に記載した問題点の再確認でもある。
(1) なぜ移設が必要なのか、なぜ移設先が辺野古なのかの上記の回答書の内容が具体的に記載してあるか
(2) 米軍のグアム移転計画の内容がどう反映されているか たとえば、辺野古への司令部機能移転は、司令部要員とその家族の移転を意味するので、訓練基地と違った水利用になり、その取水先(辺野古ダムでは不十分)・排水処理について記載しているか
(3) オスプレイの導入に伴う周辺地区への安全性・騒音の予測・評価が具体的に行われているか 特に準備書段階での比較をしているか
(4) ジュゴンの保全について、準備書では工事中の擾乱排除を述べていただけで、供用段階では極言すると「現在生息する個体の死滅を待つ」といっているようなものだが、評価書では本気の保全対応を示しているか(準備書段階以後、国内でも米国でもジュゴン保全の裁判が行われている)
(5) 準備書段階での知事意見・住民意見への回答をちゃんとしているか(アメリカのグアム移転のアセスでは住民意見とその回答が2000ページを越す)
(6) ドキュメンテーションに進歩があるか たとえば、改正アセス法の精神にのっとり、即日に電子媒体で公表するか (準備書段階では、住民の要求で1週間後にホームページに載せた) さらに、通しページになっているか(これは読者への配慮の象徴である) 

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