アセス情報2011.12.28
  
               普天間飛行場代替施設のアセス評価書の行方
                     島津康男

 市民団体の抵抗にあって、27日に県庁への評価書搬入に失敗した沖縄防衛局は28日の早朝に再び搬入を試み、守衛室に置いていった。それには防衛局長も同行していたという。
 そして、市民団体の抵抗により、県が指定している20部のうち一部は持ち込めなかったとの報道もある。法そのものでは、部数の指定まではしていない。アセスの形骸化もここまで来ると茶番劇で、アセスを専門とする私にとって、残念という他ない 
 もともと手続き法という、善意と熱意を前提にしているアセスの法のウラをつくのは、容易なのであるが、それにしても表記事業のアセスは、悪い面の連続を曝け出してきた。アセス手続きの第一段となる方法書(アセスのための調査計画を定める)の段階では、知事が受け取りを一時拒否し、事業者の沖縄防衛局は地元のホテルの一室で縦覧を行った。これも善意を前提とする手続法のウラをかいた「違法とはいえない」ギリギリのウラの手であるが、今回もその上塗りになっている。
 なお、アセス法の改正によって、アセス文書の提出に印刷物だけでなく電子媒体を併用することになっている。それは情報流通形態の変化に合わせたものであり、現に本アセスでも、住民の要求によって準備書の公示1週間後に防衛局のホームページに全文を電子版で載せており、2年半たったいまでも載ったままである。防衛局に聞いた所によれば「準備書段階では広く意見を聞くため電子版を特例的に載せたが、今回はそのつもりはない」という。すでに意見を聞いた後なので、評価書には周知の必要がないというのであろうか。改正アセス法では評価書を含むすべてのアセス図書の電子化を決めているが、その施行は2年後なので違法とはいえないが、ここでも形骸化の意図が見え見えではないか。
 普天間移設と引き換えに来年度の政府予算で満額以上の成果を得た沖縄県知事が黙認しているとの噂を信じたくはないが、「受け取りの正当性と内容の検討とをしてから判断する」という知事の発言は、茶番劇の役者に加担したとの感を禁じ得ない。アセスを専攻する者としては、内容を見てから評価するのが本来の姿勢であろうが、それもままならないのは残念である。

  

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