2013 9..19  アセス情報
      中央新幹線(東京都・名古屋市間)のアセス準備書がでた
                  島津康男  

 
上記の準備書が2013年9月18日に公表された。最速で東京―名古屋を40分で走るリニアモーターカーを使い、総延長286kmのうち86%が地下を通り、しかも都市部は地下40mの大深度トンネルである。通過する東京・神奈川・山梨・静岡・名古屋。岐阜・愛知県ごとに計7冊と珍しい構成になっているが、それぞれの内容は似ており、平均してそれぞれ1200ページ程度である
 新技術の鉄道であることから、普通の鉄道のアセスと違って磁気の影響や、高速に伴う騒音の問題が重要にある。4つの途中駅のうち、甲府・飯田・中津川は地上駅となる。これらの途中駅には出改札口もないらしい。チケットの購入はインターネットによることを前提にしているからである。もっと大事なのは、自動運転のため普通の意味の運転手さえいない。都市部のトンネル区間では、5~10kmおきに作られる地上への非常口の位置が住民にとって問題となろう。さらに南海トラフ地震を想定しての安全性にも触れているが、余り精密なものとはいえない。名古屋駅では、駅ビルを含め地区全体の再開発が始まっており、混乱が予想される。
 もう一つ大事なのは、トンネル掘削に伴う捨土の行先ではないか。準備書では「公共工事に提供する」としているだけで、具体的な記載はない。その量は全線合計で1760万㎥、
愛知県だけでも510万㎥になる。全線にわたって分散しているのも、むしろ輸送問題を複雑にする。ちなみに、最近の事例では、普天間飛行場移設のアセスで、2100万㎥の埋立て土砂の入手先がなくて困っている。評価書では、瀬戸内海の島が候補となっているが、具体性はない。

 

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