万博アセス準備書公表


 2月24日に公表された準備書は本編だけでも956ペ−ジある。同時に関連する新住宅市街地開発(跡地利用)と名古屋瀬戸道路(アクセス)の準備書も公表されている。
 アセス法を先取りするとして,平成10年4月に公表した実施計画書(方法書に相当 )では,3事業のアセスの連携をうたっているが,準備書の公表,説明会の開催が同時 である他,共通する部分のデ−タを別の文書として作成しており,又万博準備書の中で 関連事業の予測・評価の結果を折り込んでいるので,理解しやすい。なお,アセス法にない手続きとして,実施計画書に対する住民意見に対する事業者見解を2月10日に事前公表しており,このこと自体は意義があるが,準備書公表のわずか2週間前というのはいただけない。
 万博は,会場配置計画とアセス手続きとが同時進行するという異例の事例であるが,このことを反映して,これまでの会場計画の変遷を環境配慮の面から解説しており,高台にパビリオンを作るとしていたのを谷部に移して屋上を地表面と同じ高さの広場とする方に変え,さらにエレベ−タ−のエネルギ−消費,地下掘削量の最小化を考慮して複数案を比較した結果の最新案を前提にしている。このあたりの記載はわかりやすい。なお,実施計画書では会場予定地540haをAゾ−ン(施設区域)Bゾ−ン(湿地部分の保全区域)Cゾ−ン(標高の大きい植林部分)にわけていたが,準備書では主要施設区域と森林体感区域にわけており,後者はA,B,Cゾ−ンのそれぞれ一部をカバーするが,湿地部分については面としての保全の記載はなくなって,スポットとしての湿地性植物の保全に格下げされている。それを補強するためか,各スポットのシデコブシ群落のDNA鑑定結果をクラスタ−分析し,スポットごとの親戚関係を分類しているが,どのスポットを残すかの議論になってしまって余り意味はない。
 アセス法に則って,環境基準クリアよりも環境保全措置の努力を優先していることは 評価され,それに伴って,随所に「影響がある」「消滅する可能性がある」との結論が 見られるのは,これまでのアワセメントとは異なる。しかし,環境保全措置が具体的でなく,今後の計画進行と並行して考えるといった感じの表現が多いのはいただけない。なお,これまでの住民意見で声が強かった「里山を残せ」については,準備書の中に「里山」の表現が一度もでてこないのは,強烈な印象を与える。又,6月間の万博そのものよりも,跡地の住宅団地の環境影響の方がずっと大きいことは準備書だけからも読み取れる。
 総合評価として,新しいアセス準備書のスタイルとしてかなりよく出来ているが,中身となると今一つである。

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