オオタカに便乗した万博

 9月9日に、万博協会は会場基本計画の改定版を公表した。5月に会場予定地内でオオタカの営巣が確認され、2月に公表した準備書の前提となる計画を見直す必要が生じたためである。アセスと会場計画とを平行させ、アセスの結果を計画に反映することをはじめからうたっているので、計画の修正自体はおかしいことではない。問題はその中身であるが、予定地の南西2kmの所にある青少年公園など220haを会場に加え、結果として施設をおく地区は倍になる。青少年公園は、私が3年前から万博会場にといっていた所であり、この点では「よかった」といえよう。しかし、オオタカの巣に近い海上の森の北部地区はほとんど減らしておらず、公表文書で「オオタカが万博を飛躍させた」といっている所に本音が見え、オオタカに便乗した感が強い。面積を倍増する位なら、自然を守るために海上の森から撤退してもいいではないか。実は、会場の森には6000人の住宅団地にする新住計画があり、万博はその場所を一時借りるものであった。そして、両計画のアセスを同時平行することにしていたのに、8月31日には新住計画の評価書が建設省・環境庁に提出され、見切り発車した直後だけに、万博側の扱いを注目していたが、結局住宅団地の予定地を借用する部分はそのままであり、焼け太りの感じがする。しかも、オオタカへの対応を検討するために万博協会が作った調査検討会は、まだ決論を出していない。「自然の叡智」をうたい文句にするなら、万博の方から住宅団地計画に海上の森撤退を働きかける位の積極さはないのだろうか。(島津康男)


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