「新住」評価書への環境庁長官意見

 愛知万博の後、会場予定地を跡地利用する「新住宅市街地開発事業(略称「新住」)」のアセス評価書は8月31日に建設大臣・環境庁長官に送付されたが、45日以内に環境庁が意見を述べるとのアセス法の手続きに従って、10月15日に約5000字の長官意見が公表された。準備書の公表後に、万博予定地の中で住宅予定地の北に接する所で危急種に指定されているオオタカの営巣が確認されたため、万博側ではオオタカ調査検討会を設置し、現在取り扱いを検討中であるのに、新住側は見切り発車の形で評価書をまとめてしまった。このような事情から環境庁の意見がどうなるかが注目されていた。
 長官意見では、まず全体的事項として「関連事業者との連携」を指示し、見切り発車を戒めている。そして、事業そのものは認めるものの、万博終了後にはじまる本格着工時に評価書の予測結果に対するレビュ−を求めている。あえてレビュ−とよんだのは、アセス手続きにおけるアセス再実施までは求めていないためと思われるが、誰がチェックするのか、公表や住民意見を聞くのかには触れてない。
 個別事項では、特にオオタカの調査検討会の意見を反映した具体策を記載すること、工事による繁殖への影響が及ぶと予想される地区について保護対策が具体的に示されるまで着工を控えることとしている。これは、本意見書でもっとも具体的な指示で、調査しながら工事を進めようとの事業者の思惑を封じたものであるが、逆に前記のオオタカ調査検討会に下駄を預けたともいえる。住民団体が問題にしている里山全体の保全については、緑化にあたり里山的景観を可能な限り保全することと、景観に矮小化したままである。全体を通して、事業者の裁量に任せている部分が多いが、事業者は信用できないのが現実だから、もう少し具体的な「天の声」が必要だったのではないか。もっとも、「概ね妥当」とするアセス審査書の多い中では具体的かつ厳しいものとなっている。


アセスメント情報目次に戻る。
トップページに戻る。