「環境技術」2004年3月号 記事情報

掲載年 2004
巻(Vol.) 33
号(No.) 3
177-2 - 177-2
記事種類 特集のねらい
記事タイトル 「大気拡散モデル,風洞実験と環境アセスメント」特集
著 者 河野 仁
第1著者ヨミ こうの
第1著者所属 姫路工業大学
要 旨
特集タイトル 大気拡散モデル,風洞実験と環境アセスメント
特集のねらい  大気拡散モデルや風洞模型実験は大気汚染予測の道具として有用であり,環境アセスメントや総量規制,都市の環境管理計画の立案に広く使用されている.煙突からのSO2拡散予測のための標準的な手法として「総量規制マニュアル」が環境庁によって作成されたのが1975年,煙突と自動車排ガスの拡散予測のために「窒素酸化物総量規制マニュアル」が作成されたのが1982年である.このマニュアルは,その後環境アセスメント等で広く使用されることとなり,20年間あまり大きな変化はなく現在に至っている.一方,アメリカやヨーロッパでは,拡散モデルが法規制のために広く使用されているが,この間に使用される拡散モデルに大きな変化が起きている.
 また,わが国でも山間部における焼却場や道路の建設,あるいは背後に山地がある場所に火力発電所を建設するなど,複雑地形における拡散予測も必要になってきている.
 1970年代から光化学スモッグが問題となり,緊急時の発生源対策が行われ,また,最近では光化学スモッグの発令回数は1970年代と比べると減ってはいるが,オゾンの平均濃度の上昇,あるいはオゾンの環境基準を超える時間数の増加が問題となってきており,その対策のために,その原料である窒素酸化物と反応性炭化水素の削減量決定のモデルが求められている.
 また,建物の近傍における自動車排ガス拡散予測や,ヒートアイランド対策のため,都市の換気と建物の高さ,密集度の関係を解析するための道具として風洞模型実験が使用されている.
 本特集では「大気拡散モデル,風洞実験と環境アセスメント」というテーマで,「大気拡散モデルの行政への利用―技術指針など」について岡本眞一先生(東京情報大学),「環境アセスメントにおける大気拡散計算の問題と改善策について」について予測実務の立場から鈴木秀男氏(環境解析研究所),「数値シミュレーションモデルの大気環境アセスメントへの適用性」について北林興二先生(工学院大学),「光化学大気汚染対策へのモデルの活用」について山口克人先生と近藤明先生(大阪大学),「風洞実験からみた自動車排ガス対策」について上原清先生(国立環境研究所)にご執筆いただいた.そして,「欧米の新しい拡散モデル」について河野仁(姫路工業大学)が解説した.