「環境技術」2013年8月号 記事情報

掲載年 2013
巻(Vol.) 42
号(No.) 8
501 - 501
記事種類 海外レポート
記事タイトル 「アジア諸国の環境事情」企画のねらい
著 者 古武家善成
第1著者ヨミ KOBUKE
第1著者所属 神戸学院大学
要 旨 キーワード:中国南部,水質汚濁,深セン市,水源河川
特集タイトル
特集のねらい 東の日本から西のパキスタンまでの 2,000万km3の地域に, 23ヶ国 36億人が暮らすアジア.この地域は,厳密には東アジアから東南アジアを経て南アジアまでであり,中央アジアや西アジアを含まないが,これらの地域の国は,アジアの隣国として歴史的,文化的に古くから日本と強い繋がりがあった.
  経済発展が著しい巨大新興国である BRICs5ヶ国に中国とインドが含まれ,BRICsに次ぐ経済成長が期待される 11の新興国(NEXT 11)の中に,インドネシア,韓国,パキスタン,バングラデシュ,フィリピン,ベトナムの6ヶ国が含まれることから明らかなように,アジアの多くの国は,現在急速な経済発展を遂げている.
  しかし,高度経済成長期の日本が経験したように,急速な経済発展は多くの環境問題を惹起する.地球温暖化,森林破壊,海洋汚染など各国共通の地球環境問題とともに,PM 2.5問題に象徴される大気汚染や河川・湖沼・沿岸域の水質汚濁に悩まされる中国,小規模金採掘による水銀汚染問題が深刻なインドネシア,西海岸の沿岸開発と干潟の環境保全が対立する韓国,首都圏の河川汚濁・都市ゴミ問題が解決できないフィリピン,ベトナム戦争の後遺症であるダイオキシン汚染に今も苦しみながら,多くの都市環境問題に直面するベトナムなど,固有の地域環境問題がアジア各国で同時並行的に進行している.また,ハイテク産業興隆による化学物質汚染は,地球環境問題同様各国共通の問題となってきた.
  アジア諸国のこのような環境問題に対して,近年,日本からの研究・技術開発支援や環境ビジネス分野でのアプローチが盛んになっている.これは日本にとって,アジア地域が政治・経済の分野だけでなく環境の分野においても最も重要なパートナーの一つになっていることを示している.
  本企画では,このアジア諸国に焦点を当て,それぞれの国の環境の現状,環境改善技術のニーズや環境行政の方向性について,その国の環境問題を熟知した筆者により簡潔にまとめられたレポートを,年4回程度の間隔で掲載することになった.アジア諸国の上質な環境情報を読者に提供できれば幸いである.