「環境技術」2019年6号 記事情報

掲載年 2019
巻(Vol.) 48
号(No.) 6
352 - 352
記事種類 編集後記
記事タイトル 編集後記
著 者 瀧 和夫
第1著者ヨミ TAKI
第1著者所属 千葉工業大学名誉教授
要 旨 □近年,多様な金属類のリサイクル 技術に関する開発が進められてい る.しかし,資源フローの最下流にある排水や無分別廃棄 物中からの金属類回収・リサイクル技術の開発は,あまり 進んでいないと言えよう.今日の製品開発技術の高度化に 伴う環境のレアメタル汚染が今世紀の新たな環境問題とし て顕在化している.生物にとっては,多くの金属類は必須 の微量栄養素であるが,一方で,人の健康や野生生物に重 大な悪影響を引き起こす存在でもある.
□環境改善に微生物の利用が考えられたのは,1900年代初 頭の水処理分野での技術が最初のように思われる.それから約1 00年,上・下水道の水処理・浄化に関する技術は飛躍 的に進歩した.膜処理におけるファウリング防止法として, 微生物を活用するまでに至っている.湖沼における栄養塩 の吸収・回収に,更には,植物による土壌浄化など,多岐にわたる生物の活用が試みられている.
□2011年の東関東大地震に因って拡散した放射性物質の回収が8年余り経過した今でも続けられている.その結果,福島の農水産品は市場に出荷されるまでに至った.だが, これで汚染土壌の回収が終わったわけではない.今後低濃 度の汚染土壌の修復が待ち受けているに違いない.メタル バイオテクノロジーの活躍が期待されるところである.
□植物や微生物による環境浄化では,最大の効果を上げる 種の選択とその環境整備に力を入れてきた.しかし,今日 的バイオテクノロジーには,遺伝子編集の技術が必須と考 えられる.幅広い知見を基礎とする環境修復バイオテクノロジーや金属類回収・リサイクル技術の進展の一助を目指 す本特集「環境・資源保全に資するメタルバイオテクノロジー」が読者にとって極めて有益な知見となることと思っている
特集タイトル
特集のねらい