「環境技術」2020年6号 記事情報

掲載年 2020
巻(Vol.) 49
号(No.) 6
296 - 300
記事種類 特集
記事タイトル 都市水循環系におけるマイクロプラスチック汚染の現状
著 者 田中周平、雪岡聖、Bouche LEOPOLD、王夢澤、鍋谷佳希、牛島大志、垣田正樹、岡本萌巴美、藤井滋穂、高田秀重
第1著者ヨミ TANAKA
第1著者所属 京都大学大学院
要 旨 1.はじめに
 2020年7月1日からプラスチック製買い物袋の有料化が始まるなど,プラスチック製品に対する国民の関心が進んでいる.エコバックに切り替えたものの,汁物でエコバックが汚れるので,やっぱりプラスチック袋は便利であった等の話もあるが,比較的,社会に浸透し始めている様子である.つまり,改めてプラスチックの有用性を感じることもあるが,その有用性が故に“あたりまえ”のように使用していた“以前の生活”を実感している.
 COVID―19によって医療現場や私たちの暮らしの中で,マスク等の需要の高まりにより,プラスチックの有用性が見直される機会も増えてきた.プラスチックの有用性を享受しつつ,過剰な利用を抑制し,適切な場面で使用することが求められている.
 環境中に存在するプラスチックの中でも元の形を残すものをマクロプラスチック,5oよりも大きな微細片を残すものをメソプラスチック,5o未満のものをマイクロプラスチックと呼ぶ.例えば,プラスチック製の買い物袋を道路上に捨ててしまった場合,どのような挙動をして,どんな環境運命を辿るのかを知らないまま,私たちはプラスチックを利用している.無数のマイクロプラスチックとなって環境中の微量化学物質を吸着し,いろいろな生物に取り込まれているのかもしれない.
 著者らは,さまざまな試料に対するマイクロプラスチックの分析方法の開発を進めており,その手順を用いて,湖沼,海域,河川などの水環境調査や上下水処理場における挙動調査,魚貝類中の蓄積状況調査,化粧品やスクラブ剤などの製品中の含有容量調査など,発生源,排出源から生物への蓄積までの研究を展開してきた.本報では,都市水循環系におけるマイクロプラスチック汚染の現状を中心に報告する.
キーワード:マイクロプラスチック,都市水循環系,下水処理場,琵琶湖,流入河川
特集タイトル 水域環境におけるプラスチック汚染の現状と研究の到達点
特集のねらい