掲載年 |
2020 |
巻(Vol.) |
49
|
号(No.) |
6
|
頁 |
306 - 310 |
記事種類 |
特集
|
記事タイトル |
淡水・陸域環境のマイクロプラスチック汚染の実態把握と起源推定 |
著 者 |
中田晴彦、北原健一、恵良要一 |
第1著者ヨミ |
NAKATA |
第1著者所属 |
熊本大学大学院 |
要 旨 |
1.はじめに 近年,マイクロプラスチック(以下,MP と記す)による環境汚染と生態系への影響に社会的関心が高まっている.過去65年間に地球上で製造されたプラスチックの総量は約83億トンであり,その6割が廃棄または環境中に流出したと考えられている1).今後,環境中へのプラスチック流入量に変化がない場合,約50年後の太平洋表層海水中のMP 濃度は,水生生物への影響が顕在化する1,000r/.を超過する可能性がある2).海域に存在するプラスチックごみの8割以上は陸域起源との指摘もあり,その負荷削減は喫緊に解決すべき環境課題の一つに挙げられよう. 一方,プラごみやMP 汚染に関するこれまでの調査は海洋や沿岸域を中心に行われており,主要な発生源である都市周辺の河川や湖沼等の陸水環境を調べた例は少ない.さらに,5o以下の微小片となったMP の起源を知る手がかりは乏しく,このことは発生源を特定して効率的なプラごみ対策を考える上での隘路となっている.そこで本研究は,国内の都市淡水域で底質を採集し,MP による汚染現状の把握を行った.また,プラスチック製品は用途に応じて様々な化学物質が添加されている.このため,添加物質をトレーサーにしたMP の新たな起源解析法の確立を,道路粉塵試料を対象に試みた. キーワード:マイクロプラスチック,都市淡水域,底質,道路粉塵,起源推定 |
特集タイトル |
水域環境におけるプラスチック汚染の現状と研究の到達点 |
特集のねらい |
|
|