『水道の来し方行く末』に書評をお寄せいただきました。

 時代を幅広く、自分の目で確かめ、考え、しかもやさしく記述   ベテランも初心者も、是非、御一読を
                                     元厚生省水道環境部長
                          現社団法人日本水道工業団体連合会専務理事
                                  京都大学工学博士  坂本 弘道

 金子光美先生が、「水道の来し方行く末」を発刊されました。早速、拝読しました。
この中には、金子先生の今日までの水道での活躍ぶり、今後の後輩達への思いが託されています。
 金子先生と小生との付き合いは、40年以上に及びます。常に、真面目に、若い人達を指導してこられました。
中でもお世話になったのは、この本の中にも出てきますが、平成8年夏、埼玉県の町でクリプトスポリジウムの患者が多発したときです。小生は、旧厚生省で水道環境部長として対応の陣頭指揮を行っていました。犠牲者が出なかったのは、不幸中の幸いでした。水道の水質管理では、震撼させることでした。
 早速、検討会を設置、金子先生に座長をお願いいたしました。4ヶ月という短期間で、暫定対策指針をまとめていただき、その内容を行政として発動しました。濁度を水質基準以上に厳しく取り上げ、浮遊物と一緒にクリプトを除去使用という発想でした。今も、現場では、これに従っています。
 この著書の特徴です。第一に、水道の現場を、自分の体で体験、対応を考えています。
第2に、水道全般に亘って、明治から今日までの、経緯がわかります。最近、刻々と変わる水行政の動向にも眼を向け、自らの意見を述べています。
第3に、初心者、水道部外者にも、理解できるように、優しく、記述しています。
水道のベテランも、これから水道に携わる方も是非御一読ください。水道に対する熱い思いが伝わってきます。
小生も、できれば、このような本を書きたいと思います。

   一気に読めます    
                         
厚生労働省健康局水道課 粕谷明博
 厚生省(当時)で働くようになり、委員会などで先生に接する機会を得て、様々なご指導を頂いて参りました。また、技術面で迷った時によく、先生の「水の消毒」、「水質衛生学」を随読ませて頂きました。そう言えば、卒論、修論にも先生の論文を引用させて頂きました。この度の「水道の来し方行く末」も愛読書の一つになることは間違いありません。
 この本は「入門書よりもっと前の段階」とあとがきにお書きになっているように、大変読みやすく、一気に通読することができます。しかし、内容はポイントをきちんと押さえてあり(わたしがそういう評価をすることもおこがましいのですが)、何回も読み返したくなるものです。
 立場の違いや経験の多少などを問わず、誰が読んでも得るところの多い書籍です。また、テロ対策、緩速濾過などに関する記述が多く、ついつい見逃されがちな点をしっかりと指摘している点では、委員会などでの先生の発言やスタンスと相通じるところがあると思われました。